takanoひねもすのたり

砂の器のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

砂の器(1974年製作の映画)
3.8
松本清張の原作を読まないと、このもやもやは解消されないのだろうか…と思いつつ観る。

作品は身元不明の男の死体が発見され、手がかりは東北弁と思われる一言のみ…そこを発端としてある親子の壮絶な絆が描かれていく。
昭和の刑事である捜査の基本の足で稼ぐを地としており、東京を中心として秋田に飛んだり大阪へ飛んだりしている。新幹線が無い時代の移動は果てしなく時間がかかるがどこか情緒がある。せかせかしていないというか。
新聞のいち記事から「怪しい」と嗅ぎ出す若き刑事の勘の発揮振りも強引だなあと思いつつも違和感はあまり感じない。

主要登場人物の心情は映像や台詞から推し量るしか無いが、もう少し語らせても良かったように思う…いやそこを語らせているのがラストの「宿命」と親子の旅路の追憶シーンなのだが…自分のような性分は空気読めよりはっきり語って欲しいという気持ちが強かった。

最後まで何故タイトルが「砂の器」なのか分からなかったけれど、砂で作った器はもろく片端から崩れてゆく、つまり虚構を重ねても崩れる宿命にあるという意味なのかなと…原作を読めば分かるのでしょうか。
実は松本清張あまり読んだことがない…^^;

2時間があっという間のドラマでした。
邦画の傑作だと思います。