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インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説のnetfilmsのレビュー・感想・評価

2.2
 1935年、上海。ナイトクラブ「オビ=ワン」では歌姫ウィリースコット(ケイト・キャプショー)が「エニシング・ゴーズ」を歌っていた。テーブルでは、考古学者で冒険家のインディ(ハリソン・フォード)が上海の犯罪王ラオ・チェー(ロイ・チャオ)とダイヤの取引をしていた。ラオの先祖であるヌルハチ皇帝の位牌を入手し、ダイヤと交換条件を飲んだのである。だがラオはインディに毒を飲ませ、ダイヤを取り返そうとする。解毒剤とダイヤをめぐっての乱闘、銃撃騒動の末、インディはウィリーと共に逃げ出し、中国人少年ショート・ラウンドことショーティ(キー・ホイ・クァン)を連れて上海空港へ急いだ。

ミュージカル・シーンで幕を開けるインディ・ジョーンズ・シリーズ第二作。時制は前作から1年前の1935年に遡り、インディは本意ではないがケイト・キャプショーとキー・ホイ・クァンを連れ立って冒険を繰り広げる。上海から何とか脱出した3人は飛行機で逃げるが、犯罪王ラオ所有の飛行機の操縦士2人は、インディらが眠ってる隙にバラシュートで脱出してしまう。間一髪のところで目が覚めたインディらは救命ボートに乗り込み、飛行機から決死の脱出を試みる。ボートは雪の斜面をくだって川へ流れていき、インドへ漂着する。そこで原住民の依頼を聞いたインディはサンカラ・ストーンを取り戻すために、一路パンコット宮殿へと向かう。

前作がジョン・フォード『駅馬車』にオマージュを捧げた西部劇の変奏曲だとしたら、今作の活劇は随分と寂しい。宮殿に着いたインディ御一行は宰相チャター・ラル(ロシャン・セス)の出迎えを受けるのだが、テーブルに乗るご馳走はいわゆるゲテモノ料理のオンパレードであり、彼らが「招かれざる客」であることを暗に伝えている。実際その夜事件は起こり、モテ男のインディにとって甘い夜になるはずだった一夜が一転し、禍に巻き込まれる。壁の裏に秘密の通路を発見する一連のシークエンスは活劇ではなく、ミステリーの領域であろう。やがてカーリ神の宮殿にたどり着いた3人は、そこで司祭モラ・ラム(アムリッシュ・プリ)による生贄の儀式を目撃する。

ゲテモノ料理に始まり、虫やゴキブリが人の体を這う洞窟を抜けたら、今度は臓物をえぐり取られた生贄が炎と熱に包まれた溶鉱炉で溶かされる。この一連の光景は観ていて気持ちの良いものではない。一向に活劇は始まらないまま、それでもサンカラ・ストーンを取り返す千載一遇のチャンスに恵まれたインディは石を持って逃げようとするのだが、そこで子供達のうめき声を聞く。ふと階下を見るとそこでは何十人もの奴隷の子供達が採掘作業をやらされていた。そこで初めてチャター・ラルらに囚われたインディ御一行と邪教集団の戦いが始まるのである。

ただのトレジャー・ハンターである大学教授が、「富と名声」のために引き受けたミッションにおいて、奴隷であるたくさんの子供たちを救うことにミッションがすり替わるというのが何とも倒錯的である。今作においてインディの決断は常に自分の存在とは関係ないところで定義され、半ば命を失いかねない状況に至っても否応なしに進んで行く。途中の密教の洗脳や呪いの藁人形の描写などは極端と言えばで極端であり、最後の瞬間の脱出の発端となるのはインディではなくショーティなのだが、その後のトロッコでのアクションではようやく本来の活劇がスタートする。しかしながらこの活劇の決定が遅きに失した感は拭えない。トロッコ〜放水〜吊り橋の流れがもう少し早い段階で出ていれば、退屈しなかったはずである。今作でヒロインを演じたケイト・キャプショーは今作をきっかけに監督であるスティーヴン・スピルバーグと恋仲となり、1991年に結婚し現在は5人の子供がいる。おしどり夫婦として知られるスピルバーグ夫妻だが、ケイト・キャプショーは2度目の結婚であり、1人の連れ子がいる。