えばら

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのえばらのレビュー・感想・評価

4.0
これは変化球・・・と呼ぶにふさわしい。のでは?

意味不明なタイトルと何にも聞こえてこない評判から敬遠してた本作。ようやく視聴。
911を題材にしているのでもっと露骨に出来たかもなのに、むっちゃ変化球。
だけど、最後の方は普通に泣いてしまった。

変化球だと感じたポイントは多いけど、何と言っても主人公のその愛せなさがヤバい。
本人はアスペルガー症候群だなんて言いたそうだけど全然違う。ものすごく頭でっかちになってしまった厨二病真っ最中の状態なのだ。汚い言葉も沢山吐くし、わがままったらしょうがない。普通に顔引っ叩いて根性叩き直したくなるレベル(パワハラ)。
脚本を書く上で超大前提のルールとして掲げられるのが主人公に共感性を差し込む事。たとえ悪人でも、何かしら共感出来るポイントがあればその作品は観るに耐えうる作品になる訳だけど、本作は完全にそれが欠落している気がする。

では、何故観れた&しまいには泣いてしまったのか?
それは彼が出会うNYの人々に共感してしまうからだろう。
オスカーが気付く通り、何かを失っている人が多く描かれる。その過程でオスカーは喪失感を受け入れる事の大切さを学んでいく。だからこそ、ロジカルに見つけた答えが望むものでなくとも受け入れられたのだと思った。斬新すぎるのよ、構成が。

ちなみに、泣いたのは最後の母との対話のシーン。
サンドラ・ブロックってあまり自分が出て来る映画にいないけど、いい役者そうだと思った。
あと、脚本家のエリック・ロス。多分最初は『フォレスト・ガンプ』レベルの脚本を書いたであろうに、ワーナーに手垢付けられて大味になったんだろうな。。。RIP
えばら

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