Wilhelm

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのWilhelmのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

9.11が起きた日、私はまだ小学生で、テロによって映画のような恐ろしいビル崩壊が起こるシーンを何度も何度も繰り返されるテレビの放送で見た記憶がある。

何人もの人が犠牲になった悲しい事件だとは知っていたけども、実際にビルから落ちていく人の写真はこの映画で初めて見た。とても衝撃的だった。誰かの大切な人がラピュタのシーンように次々と空から落ちていくなんてことが本当に起こったと思うと、恐ろしい。

事件はもう20年弱も前のことで、ニューヨークも復興したが、愛する人を亡くした人達にとってはいつまでも苦しい経験で忘れられないだろうとこの映画を見て思った。

母が、人生にはわからないことがたくさんあり、なぜ飛行機がビルに突っ込んだのか誰にもわからないと言うシーン。一番印象的だった。戦争や事件というものは誰にもわからないけど起こってしまう。大人でもどう受け止めたらいいのかわからない。ましてそれによって親を失った子供になんて言えばいいのだろう。子供に言葉をかけて現実を受け入れさせることが本当にいいのだろうか。悲しいことは乗り越えてほしいけど、時間も必要だし、人に言われて出来ることでもない。だから母が息子の鍵穴探しを陰ながら応援し、見守っていたことには母の愛を感じ、心打たれました。
Wilhelm

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