kanaco

エミリー・ローズのkanacoのレビュー・感想・評価

エミリー・ローズ(2005年製作の映画)
3.7
悪魔に憑りつかれたという女子大生が悪魔祓いを受けるも死去した。「彼女は悪魔憑きか精神病か」「治療を中断させて儀式行った神父に過失致死の罪はあるのか」について弁護士と検事が戦うエクソシストホラー×法廷劇。メインの法廷劇はずっとハラハラするし、悪魔憑きのシーンも壮絶でインパクト大!😱(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

中学生の時に一人で夜更かししていたら、たまたまTVの深夜映画枠で放映していた作品。もう一度見たくてずっと探していたのだが全然巡り合えず。やっと配信に来た😆💕念願の再鑑賞。

◆あらすじ◆
不可知論者であり、仕事への野心の強い女弁護士エリンの元に舞い込んできた1件の依頼。それは「ムーアという名の神父が、悪魔に憑りつかれた女子大生エミリー・ローズに対して悪魔祓いの儀式を行うもエミリーが絶命。神父は過失致死の罪で起訴され法廷で裁かれることになったため弁護を頼みたい。神父は司法取引にも応じない」というものだった。神父の弁護を引き受けたエリンは「法廷で悪魔憑きを立証させる」という難しい問題に奔走しながらも、神父の意志を尊重しながら法廷に挑むが…。

❶実際の事件をベースとしたエクソシストホラー×法廷劇

幻覚と幻聴に悩まされ肉体的にも精神的に深いダメージを負い、医学治療も効かない。敬虔なキリスト教徒でこの症状を悪魔の仕業であると確信した女子大生エミリー・ローズ。彼女に寄り添い自分も悪魔の仕業であると確信し、彼女に対して悪魔祓いを実施、結果として彼女を死なせた神父は「罪があり裁かれるべきであるか」というエクソシストホラー×法廷劇。

「本当に悪魔に憑りつかれていたため神父の対応は適切であり、悪魔が殺した」のか、あるいは「神父が精神病患者に適切な治療を行わなかったため(=神父がその治療を阻止して儀式を実行したため)エミリーが死去した」のかについて、様々な見地から弁護士と検事が対立して論争する。エクソシストホラーではあるが、その多くの場面が法廷劇であることが特徴。すごくハラハラするシリアスな作品。

実際どこまで反映させているのかは分からないのだが、本作は現実で起きた事件をモデルに描いているらしい。1976年にドイツで発生した事件だそうで、ある少女が病気と診断されるも症状が一向に改善せず、教会が悪魔憑きと判断し悪魔祓いをするも、その最中に栄養失調で少女が亡くなってしまったため「悪魔憑き」か「精神病」か、法廷で争うことになり世間の注目を浴びたという事件なのだそう。

❷悪魔または病魔に憑りつかれたエミリー・ローズの壮絶で悲痛な最後

「少女を誰が殺したか」について「悪魔であると主張する」弁護側と「人間であると主張する」検事側の法廷パートは討論の場であるので当然怖くはない。でもエミリー・ローズに起きたことを視覚的に見せるシーンは中々怖い。悪魔憑きの少女の演技はエクソシストホラーでは恐怖演出の肝となると思うが、それらの中でも上位にくるような壮絶な悪魔憑だった。エミリー・ローズを演じるジェニファー・カーペンターさんが強めなキリリとした顔立ちをしているので、苦しみの描写の表情は迫力があった。

また、憑りついたとする悪魔もこれまでのエクソシストホラー群の中でも特に強烈。中学生の時はキャラクターに感情移入はせずエンタメとして見ていたので、その強烈さに笑ってしまった。だが、今改めて真面目に見ると「悪魔の力=憑りつかれた少女の苦しみ、あるいは病魔の重さと深刻さ」であると考えてしまうので、全然笑い事ではなかった。これが病気であれ、悪魔であれ、エミリーにとっては目の前に映るモノへの恐怖とそれによる苦しみは、全て事実。あまりにも可哀そうすぎるし理不尽過ぎる!

それにしても、特殊な裁判過ぎて、裁判官大変だな~と思った😨

🐝💦「ずっと再鑑賞したかったホラーサスペンスが見ることができ大満足でしたし、やっぱり初見と同じく好きなタイプの作品でした。あんまり怖かった記憶がなかったのに、再鑑賞したら記憶よりは怖かったです…。よく深夜に1人でこの作品を見て「怖くないな」とか思っていられたな…中学生の時の私🤔」
kanaco

kanaco