kanaco6月30日まで休み

ジェヴォーダンの獣 ディレクターズ・カットのkanaco6月30日まで休みのレビュー・感想・評価

3.8
舞台は啓蒙思想が現れるフランス革命の前。1976年に伝説が残る〈ジェヴォーダンの獣〉に基づいて描かれるアクション映画+前半はダークファンタジーなるも後半は歴史ミステリーへ!キャラクターが美男美女ばかりで目の保養✨キャラクターも個性的で◎アクション演出も含めて何だかゲームの世界観みたい🥰🎮(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
ルイ15世統治下、啓蒙思想が広がりつつある18世紀半ばのフランス。ジェヴォーダン地方で100人以上の女性や子供が失踪し惨殺死体となって見つかる事件が続発していた。目撃者はみな口をそろえて「狼ではなくもっと大きくて獰猛な獣に襲われた」と言う。ルイ15世から派遣された王室博物学者かつ剥製職人であるフロンサックは、親友でモホーク族出身の男・マニとともにその恐ろしい獣の正体を探って退治するため村を訪れる。しかし捜査は難攻し…。

❶ 〈ジェヴォーダンの獣〉に基づいて描かれるフランス産のアクション×歴史ミステリー

1976年に実際に現れたという伝説が残る〈ジェヴォーダンの獣〉に基づいて描かれらフランスのアクション×ダークファンタジーまたは歴史ミステリーです。舞台は18世紀、フランス革命が起きる前。啓蒙主義が広まりをみせ信仰と科学のパワーバランスが変動しはじめた頃。ジェヴォーダン地方にオオカミに似た大きな獣が出現。Wikipediaによれば100人ほどの人間たちを襲ったという話が実際に残っており、その正体については現在でも議論されているそう。

主人公は王室博物学者であり剥製職人である美男子フロンサック。ルイ15世からの命により、相棒であるモホーク族出身の男・マニと共に獣の正体を突き止めようと奮闘します。前半はダークファンタジーのような雰囲気で進んで行きますが、後半になるにつれて〈ジェヴォーダンの獣〉の正体は何だったのか…という歴史ミステリーに対して一説出していくようなスタイルになっています。またそのスパイスとしてフランス映画としては珍しいと感じるアクションが随所に盛り込まれています。

特にアクションを魅せるのはモホーク族出身の男・マニ。このキャラクターは異色感があって、キャラクター設定がフロンサックがアメリカを訪れた際に出会って連れてきたネイティブ・アメリカンの元族長で、ファイトスタイルはカンフーに似ており(役者さんのご両親がカンフーの師範だったというのでご本人の特技なのかしらん?)シャーマン的な能力さえ持ち合わせるミステリアスで寡黙な男。

アクション演出はこれでもかというほどにスローモーションを使用します。「なにこれ、マニさんPS3のアクションゲーム『ベヨネッタ』の〈ウィッチタイム〉でも体得しているの??」っていうくらい毎度スローモーションで敵をボッコボコにしていきます🤣そんなマニさんと、ウィットに富む主人公のフロンサックがとても絆の強いバディとして物語全体を引っ張っていきます。

また本作のもう一つの見どころはキャラクターたちのビジュアルの良さ!メインで出てくる若者たちは美男美女が勢ぞろい。キャラクター数が少し多い気もしますが、みな容姿もファッションも性格も個性があるので覚えやすいです。私はモニカ・ベルッチが演じるイタリアの娼婦のセクシーお姉さまシルヴィアさんがお美しくて好きでした。男性陣だとやっぱりマニがカッコイイ!

❷ PS3のアクションゲーム『Bloodborne』的なゲーム雰囲気が印象的

先ほども書きましたが、スローモーション技術の多用にちょっと笑ってしまう。そしてそのアクション動作一つ一つにスローモーションがかかって演出する様はなんだかゲームの演出を見ているよう!というか全体的に舞台技術もアクションRPGゲームっぽいような…🤔

後で調べて見たらこれPS3のフロムソフトウェアのアクションゲーム『Bloodborne』の元ネタ説の1つとして有名な作品らしいですね。

いや、確かにそうだわ。ネットで見かけただけなので信憑の程は分かりませんが、少なくともそのゲームは思い起こさせます。私自身は『Bloodborne』は一応プレイするも教区長エミーリア(3番目くらいのボスかな??)が倒せなくて、ポイっと詰み放り投げたリタイア者なので十分なことは言えませんが…。プレイしたところまでの世界観は本作の前半と終盤の雰囲気がマッチ。❶で記述したように中盤は歴史ミステリーへとジャンルを変えるのでイメージが離れますが、終盤はまたアクションパートに戻るのでまたゲームっぽく戻ります。そうみてくるとキャラクターたちが持つ武器すらもそういうゲームのアイテムみたい🤭

❸もうちょっと上映時間が短くても良かったかも…

アクション映画ではありますが「アクションへ全振り」という感じでは決してなく、どちらかというとストーリーの方に重心は傾いているかも。怒涛のアクションを求めると肩透かしを食らかも…。でもフランス映画特有の “こじゃれた感じ”や“思わせぶりな演出”は控えめなのでストーリーラインが分かりやすいですし、この時代の歴史背景を意識して鑑賞するとより面白いかと思いました。

みんな揃ってバーサーカーばっかり!
そう、これは獣を生んだ〈時代〉のお話…😌

ただ、昨今のアクション映画に比較するとやっぱりゆったりしていることが多いし展開ものんびりのため「150分は長かったかなぁ~」と思います。こちらはディレクターズ・カット版でしたが元も138分ほどみたいなので、やっぱり全体的に長めなのかも🤔

🐺🐝「アクションに歴史にミステリーにロマンスに…。要素が盛りだくさんだった印象!こういう伝説があったのも初めて知りましたが…歴史ミステリーも面白いですね😄」