kanaco6月30日まで休み

ワンス・アポン・ア・タイム/天地大乱のkanaco6月30日まで休みのレビュー・感想・評価

3.7
清朝末期の混乱に巻き込まれた高名な武道家・黄飛鴻のヒーロー的活躍を描くコミカルなカンフーアクション映画!歴史上の人物も登場🧐ジェット・リーVSドニー・イェンを筆頭にアクション俳優さんたちの人並外れた身体能力やキレのある動き、テンションも高めなエンタメ性優れる演出を楽しむのが醍醐味 !(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

『香港映画見ようね会』に参加させていただきます。
主宰XXXXXさん、ありがとうございます!

◆あらすじ◆
清朝末期。高名な武道家であり医師でもある黄飛鴻は、西洋医学の学会に招かれたため一番弟子の梁寛と叔母の十三姨を連れて広州を訪れる。広州では暴力をもって外国排斥をうたう非常に過激なグループ〈白蓮教〉がその猛威を振るっていた。黄飛鴻は西洋医学の学会に出席し革命を志している興中会の若者・孫文に出会う。しかし学会を白蓮教が襲撃、孫文と再会を約束し分かれることになる。翌日には黄飛鴻・梁寛・十三姨の3人は白蓮教に襲われたキリスト教の小学校に遭遇。白蓮教は既にそこを去っており教師たちは一人残らず虐殺されていたが、地下に隠れていた何十名もの子供たちを発見する。広州警察に保護を求めるも解決するには人が足りず今の情勢を刺激したくないと断られた黄飛鴻たちはイギリス領事館へと子供たちの保護を求め、そこで孫文と再会。しかし白蓮教はここにも襲撃をしかけてきて…。

❶清朝末期の混乱に巻き込まれた武闘家・黄飛鴻の活躍を描くカンフーアクション映画!

清朝末期に存在した歴史上の人物、武闘家であり医師(なのかな?東洋医学の知識を持つ人だとは思われる)であった黄飛鴻。彼を主人公に描いていく『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズの2作目。私は会の選出で本シリーズの存在を知ったので1作目は未見ですが、2作目から見ても特に問題はありませんでした(でもだから前後分かりません!)😄

話運びの中心となるのは成熟したヒーロータイプの頼れる主人公・黄飛鴻とコミカル&二枚目役担当の若い弟子・梁寛、そしてヒロインである元気で可愛いお嬢さん・十三姨という3人組。彼らが基本的には和気あいあいと賑やかな様子のままに〈清朝末期〉という深刻さを持っていた時代に起きた出来事に巻き込まれて行きます。

舞台となる清朝末期は清の支配が衰えて経済も停滞し、一方では西洋との外交活発化・文化がなだれ込み国に大きな混乱が起きていた頃。この映画に出てくる勢力は大きく3つ。弥勒菩薩を信仰し「外国人を追い払って清は極楽浄土となる」という市民の救済と外国排斥をうたう、この時には既に暴徒と化した反体制組織の〈白蓮教〉。後に辛亥革命にて清王朝を倒して中華民国を建国する革命家ですが、本作ではその前の頃の孫文と彼が創設した革命団体の〈興中会〉。そして清朝に仕えており先の2つの反政府組織及び改革派を阻止したい〈広州警察〉。

ストーリーの出発として黄飛鴻たちは西洋医学の学会に招待されたため広州を訪れます。〈白蓮教〉は外国人と中国人であっても西洋に関わる者・好意な者たちはみな須らく残酷な粛清をしていくため、黄飛鴻はすぐに〈白蓮教〉と対立。西洋学会で知り合って意気投合した孫文及び〈興中会〉とは友好的な関係になりますが、それ故に本来敵対する必要のない〈広州警察〉とはアンバランスな関係になっていく。そして〈白蓮教〉〈興中会〉〈広州警察〉の三つ巴の中に放り込まれた黄飛鴻が持ち前の卓越した武術を駆使しながら物語を率いていきます。

描かれている時代の状況さえ理解できればストーリーそのものはかなりシンプル(映画の脚色との塩梅もあると思うので史実との乖離は不明ですが…。)。主人公を演じるジェット・リーや今回のラスボスを演じるドニー・イェンを筆頭に、アクション俳優さんたちの人並外れた身体能力やキレのある動き、エンタメ性の高い演出を楽しむのが醍醐味といえるカンフーアクション映画だな~というのが第一印象✨👀それと共に「こういう時代があったのだなぁ~(kanacoは中国史無知人間🐝💦)」という興味も少し湧きました。

❷テンションも高めなエンタメアクションは楽しくて見応えあり!

本作を見る前に鑑賞したのがフランスのアクション映画『ジェヴォーダンの獣』。そちらも本作と同様に史実(時代背景)や言い伝えの中にオリジナルの物語を起こし、〈長く行われてきた政治体制・宗教や思想に対して新しいモノが流れ込んできたことによる民衆の混乱・動乱から引き起こされる事件〉と〈そういう時代に放り込まれたヒーロー〉を描くという点がとても似ており、偶然にも東西の同じようなパターンの映画を見たな~と思ったのですが、「ダークミステリーのスパイスにアクションを、そして何はともあれロマンスを」なフランスに対して、「コミカル×怒涛のアクションエンタメ」で攻める香港の方向性の違いがなんか面白かったです。本作は動きはもちろんのことアクションに付随する〈音〉からしてかなり主張が強い🤔✨

本作の冒頭、掴みとして〈白蓮教〉の教団が手始めにアクションを魅せるのですが…テンションが『ジェヴォーダンの獣』の3倍くらい高くて5分くらいずっと笑ってしまいました😆エンタメに寄ったアクションに次ぐアクション、何なのその教祖の登場シーン!〈白蓮教=教祖〉VS黄飛鴻の戦闘はワイヤーアクションが特に目立っている空中戦で「なんでわざわざそんなとこに!?」とか「そんなことを!?」みたいな戦闘シーンの展開が続き、思いにもよらないことが起きて愉快です!あと、地味に教祖の両隣にいる双璧な部下さんたちが(アクションギミック係として)器用に良き働きをする🧐

また、本作を見る方が最も期待を寄せるだろう〈広州警察〉VS黄飛鴻…つまりドニー・イェンVSジェット・リーの戦いは相も変わらずスピーティーで見応えがありました。それに2人ともカンフーとは別に投擲力は投擲力ですごい🤩

💥🐝「私は映画を見る時にあんまり制作国のことを気にせず、ジャケットとタイトルだけでサブスク再生を始めるのですが(MARKは順不同)、この時に実は5連続フランス映画を見ていたので、久しぶりに見た香港映画の味変具合がかなり楽しかったです!やっぱ国ごとの雰囲気がありますね~🤭💕」