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陰陽師 〜おんみょうじ〜のkanacoのレビュー・感想・評価

陰陽師 〜おんみょうじ〜(2001年製作の映画)
3.4
夢枕獏原作『陰陽師』の実写映画化。ライトなホラー…というより陰陽師ファンタジーでありヒーロー安倍晴明がカッコよく活躍!平安京ホラー・オカルトで思い描くような世界観、清明と博雅のバディ、晴明VS蘆屋道満の呪術バトルなどが楽しいし、役者陣もピッタリ。呪詛に等しい「言霊」の力も印象的🤔(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
時は平安京。左大臣の娘が親王を出産するが原因不明の病を患ってしまう。右近衛府中将・源博雅はこの不可解かつ重い病から親王を救うため、優れた陰陽師である安倍晴明に助けを求める。これはライバルである左大臣に憎悪を抱いていた右大臣の感情を見抜き、怪しい呪術に手を貸した陰陽師・道尊の仕業によるものだった。安倍晴明の活躍によって親王の呪術は解かれるが、真の目的は都転覆であった道尊は次の一手を打つ。博雅と晴明はその目論見を阻止すべく立ち向かうが…。

❶夢枕獏原作の『陰陽師』の実写映画化、ヒーロー安倍晴明の活躍!

本作は当時2001年当時映画館で見た記憶…🤔この頃、陰陽師モノってよく見たような…。私が進んで摂取していただけかしらん?この映画の原作である夢枕獏の小説は読んだことはありませんが、それを岡野玲子が漫画化したコミックの方は読んだことがあります。ドラマもみたような?安倍晴明が主人公ではないですが陰陽師モノというとスーパーファンタジー文庫で出ていた瀬川貴次のライトノベル『暗夜鬼譚』や、マンガですがCLAMPの『東京BABYLON』、月刊LaLaで連載していた『火宵の月』も陰陽師系。

ゲームと言えばPS2のガッツリのホラーゲームソフトである『九怨』。「はしぞろえ~、はしぞろえ~」という童歌が耳から離れぬ、平安京を舞台に餓鬼や怨霊が棲みついた屋敷を探索するアドベンチャーゲーム。友人と2人きり築年数が相当経ったボロアパートで深夜プレイしたら、ゲームの渾身のジャンプスケアにビックリしすぎて2人の体がギャグみたいに飛び上がった結果、マジでボロアパート全体が地震の如く揺れたのは良き(?)思い出です😂

本作はとてもライトなホラー…というよりは陰陽師ファンタジーです。平安京ホラーや平安オカルトで思い描くような…例えば恨めしさで鬼と化す女たち、陰陽師の呪術や式神、都転覆の陰謀などが詰め込まれ、それを救うヒーロー的な安倍晴明がマンガチックにカッコよく描かれます。「人は心ひとつで鬼にも佛にもなりましょう…」という禍々しくも哀しい人間の業から生まれる魑魅魍魎の世界観が楽しい!また主軸は安倍晴明VS蘆屋道満という有名な陰陽師のバトルとなっています。

❷キャラクターたちが魅力だと思うので関係性をもっと丁寧に描いて欲しかったかも

この映画はキャラクタームービーの側面が強いかなぁという印象。安倍晴明な野村萬斎は飄々として怪しくてピッタリ。ワンコ系男子で素直なお気楽BOYの伊藤英明が演じる源博雅も似合っていましたし、都転覆を目論む悪の陰陽師・道尊…いわゆる蘆屋道満を演じる真田広之はご機嫌で楽しそう。なんというか、みんなルンルン♪している感じでした(私の頭がルンルン♪していただけ…??)。岸部一徳が演じるプルプル帝も愉快や愉快😂小泉今日子、今井絵理子、夏川結衣、宝生舞、萩原聖人、柄本明…と有名どころが配役に固められているのも楽しいです。

CGは当時のチープさがありますが、そのチープさもなんか笑える…コスモ🌌!!

個人的には安倍晴明と源博雅のバディ感は魅力だと思いましたが、終盤のブロマンスまで片足突っ込んでいる感はちょっと唐突かなぁ~と思いました。友人として好ましい程度は理解できるのですが、いつのまにそんなにお互いに唯一無二みたいな大好き状態になったのだ…?🤔それなら関係性の変化をもうちょっと丁寧に描いてほしかったなぁ~と思いました。

もう一点、この映画で強調される〈言葉〉の強さ。〈名前〉への言及もそうですが、まるでまじないのように劇中何度も繰り返される、安倍晴明をはじめとして皆で口々に言う源博雅への「お前はほんとうに良い男だ」という言葉。終盤では源博雅からもその言葉が安倍晴明へ贈られますが、それはまるで一種の呪詛のようでこれはこれで不気味。言霊に通じるものに思いますが、永遠に言い聞かせられればそういう人間になるのかもですね。

👹💥🐝「家にて映画見る時はフィルマに何を書くかメモをちょっとだけしながら鑑賞したりするのですが、本作は後でメモを見返したら「声に出して言いたい日本語、坂上田村麻呂」って書いてあったのだけど…なんぞ😂

でも声に出したい日本語〈坂上田村麻呂〉!!!」
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