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紅唇罪ありのENDOのレビュー・感想・評価

紅唇罪あり(1933年製作の映画)
4.2
無機質に並ぶいくつもの煙突から大量の白煙が立ち昇るピッツバーグ製鉄所付近の酒場。その店内の喧騒とは裏腹に、無音のキッチンで孤独に皿を洗うテレサ・ハリス演じる黒人の従業員チコが口ずさむ『St. Louis Blues』からただならない色気。「まるで明日のことが今日のように感じるの」という歌詞は今作のスタンウィックの人生を予感させる。人生を自分の持ち合わせたギフトを最大限利用して、全力で生きる姿に只々感動する。勝手に憧れ失望し死んでいく男たち。チコとの絆だけは途切れない(渡仏して優雅に暮らしたと脳内で補完)素晴らしい。
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