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隠し砦の三悪人のシネラーのレビュー・感想・評価

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)
4.0
スター・ウォーズのアイデア基にも
なった、黒澤映画を初鑑賞。
王道な冒険活劇で面白かった。

戦国時代を舞台に、
命を狙われる姫を武士一人と百姓二人
で国越えしていく物語だが、
時代背景に合わせた格差による性分
や登場人物の人間的な成長を描きつつ、
コミカルな描写にも富んでいた事が
良かったと思う。
劇中の終盤で姫が「旅が楽しかった」
と語るが、その通りに感じられた。
アクションに関しては申し分なく、
序盤の城内での暴動は
その人数の多さに凄みが感じられた。
馬を走らせながら刀を構える
真壁六郎太(三船敏郎)は格好良く、
その後の槍同士の一騎討ちも含めて
素晴らしかった。

観ていて感じた事として、
題名である"三悪人"は誰を指している
のかという点だが、
当初は六郎太と百姓の二人を指している
と思っていた。
しかし、言ってみれば百姓の二人は
六郎太や姫に騙された上に利用された
だけである為、
"三悪人"は六郎太に姫、
そして「裏切り御免」と決心をして
姫側に赴いた田所兵衛(藤田進)だと
個人的に思った。

気になった点としては、
姫が登場して国越えを始めるのが
物語の中盤である為、
物語序盤は冗長に感じられた。

スター・ウォーズは
EP4が一番好きなだけに、
そのオマージュが感じられる本作を鑑賞できて良かったと思った。
個性豊かな登場人物達が織り成す、
戦国道中だった。
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