ダブルチーズバーガー

ショーシャンクの空にのダブルチーズバーガーのネタバレレビュー・内容・結末

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

「起きてなさい いつ主(=キリスト)が戻るか分からない」ーーマルコ伝 13章35節

中盤、アンディによって引用された言葉がまるきり所長に突き刺さる。
そうだよな、と。いつ神ーーというより、因果応報ーーが来るのか分からないのだから、いつもしっかりしてなきゃダメだ。
聖書を愛読していたのにもかかわらずその文言の意義を忘れ、やれ「男色の囚人に売り渡す」だの「裏金を貰う」だの「嘘ついてトミーを殺す」だの「あげくの果てには自殺」だの、ユダヤ教やキリスト教でやっちゃダメなこと全部やらかす所長。これもう芸術だと思う。
きっと自分を、神の遣いだとでも勘違いしてたんだろう。

囚人たちのリアルと、希望を持てずに自殺したブルックス、希望を持って新たな旅路を歩み始めたレッドとアンディの対比も面白い。まことによくできた映画だと言わざるを得ないし、まず取り方が滅茶苦茶上手いと思う。とにかく魅せられる脚本だ。

しかし脱獄トリックは案外見破りやすく、張られた伏線もだいたいわかりやすいので、世間で言われているような「アッ!このシーンがここに繋がるなんて!」みたいな驚きは初見でもなかった。
名作ではあるが、誰が観ても70〜95点になる、という意味合いでの名作であり、120点、200点にはならないな、って感じのテイストだ。
しかし人になにかをおすすめするときは、真っ先に候補のひとつとして挙げたい映画ではある。