ダブルチーズバーガー

タイタンズを忘れないのダブルチーズバーガーのネタバレレビュー・内容・結末

タイタンズを忘れない(2000年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

Disney+にて視聴。 

デンゼル・ワシントン演じる黒人コーチの弁舌とカリスマで、憎しみと苛立ちで凍りついたチームが徐々に意気投合、次第には冗談やハグを交わすほどの仲になっていく様子は、確かに、中々見応えがある。
しかし根暗の私は、「え? 仲良くなるの早ない?」とスクリーンの光景が眩しすぎて違和感を覚えてしまった。みんな根が明るすぎるよ。

だが実際に学校が統合され、生徒同士の争いや親族の抗議吹き荒れる世相の中、学校の敷地内でも堂々と挨拶を交わし、軽口を言い合うタイタンズの姿はかなりカッコよかった。自分を貫き通す人って輝いて見えるんだなぁとしみじみ思った。

だが肝心の試合の場面で、私はまた置いてけぼりになってしまった。
完全に自分の見識の浅さに原因があるのだが、なにぶんアメフトについての知識が全くなくスポーツ観戦にも興味が無いため、何が起こっているか全く判らなかった。
同じくスポーツを題材にした映画「クール・ランニング」は大好きな映画だが、あれは単純にタイムを競う「ボブスレー」であったから私みたいなインキャでもついていけたのだ、と認識させられた。
試合中、観客やチームが盛り上がるシーンでも、「え、それ反則にならんの?え?」と思いながら、「あ、でもみんな喜んでる。ヤター!」と体育祭で周りに合わせて作り笑いするクラスの陰キャ状態になってしまった。家で映画を観ているだけなのに。

しかし喧嘩、価値観の相違、世間からの冷ややかな目などさまざまな障害を乗り越えてチームとして団結し、「最高の友人」となっていく生徒たちの姿は何度も言うがほんとうにカッコいい。憧れるなんてレベルじゃなかった。
チームが崩壊しそうになった時も生徒主体で立ち上がり、再び団結して勝利を重ねるあの一連の流れは、あまりに王道であまりに熱い。何回観てもいい。
大人たちにもドラマがあり、それぞれキャラが立っていた。デンゼル・ワシントンの黒人コーチが試合面ではあまり役に立たず、白人コーチの方が戦術眼が優れていたという面で内政/実戦パートに役割が分かれていたのも良かった。
凡な映画でありがちな、
「片方だけに花をもたせてもう片方をこき下ろす」
「主役キャラがやることに間違いが無い」
というご都合主義ドラマが無かったのがいい。
大人コーチふたりの教育論の違いは、大人なら考えさせられるところがあるんじゃないかな。