ヤマダタケシ

海の上のピアニストのヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

海の上のピアニスト(1998年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

2020年8月23日 アップリンク吉祥寺で

・船から見るニューヨークは書き割りの様で、ニューヨークから見る船は書き割りのようだった。
・意図的に作り物であるような演出がされているように感じ、それはある意味で今作がアメリカに希望を持ってやって来た人々の、その時代のおとぎ話だからだと思った。
・ただその〝希望を持ってやって来た人〟というのが白人中心に描かれている部分に若干の違和感を覚えた。
・それは今作が〝白人から生まれたジャズ〟という幻想を描いてる部分にも感じた違和感である。
・実際のその時代のその熱狂を体現し、その場所にいたように感じられる1900。限りなく現実に近い設定でありながら、1900の存在自体は虚構であり、その意味でも彼は船を降りることが出来ない。
・だからこそ、今作はマックスから見たひとつの時代の物語なのだと思った。そしてそれを表現するのなら、ラストでマックスが消えて行く街並みは書き割りっぽい感じでは無く実際の街並みの中で撮られる(=現実に溶け込んでいく)方が良いと思った。