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キング・コングのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

キング・コング(2005年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ピーター・ジャクソン版の『キング・コング』。

ピージャクが手掛けているだけあって、まずは画作りの部分に圧倒されました。
当たり前だけど、ルックが良ければ、それだけで映画が魅力的に見えるし、映画の世界にも引き込まれていく。
この映像のクオリティーを見ただけでも、本作がピージャクにとって、如何に念願の企画だったのか窺い知れます。

主演はナオミ・ワッツ。
売れない役者という設定といい、コングにメチャクチャにされたりと、この人はこういう仕事が多いな~と思わず苦笑。
しかし、冷静に考えると、CG相手に(1人で)泣いたり叫んだりしないといけないわけで、そういう意味では、彼女の役者魂が感じられる作品と言えるのかもしれません。

物語的には、撮影隊の紹介がされる序盤、髑髏島で冒険が描かれる中盤、コングがニューヨークに連れていかれる終盤という構成。
個人的には、どのパートも楽しめましたよ。
序盤はわりとコミカルな感じで気楽に見れたし、中盤はジュラシック・パーク的な恐竜運動会で楽しかったし、終盤は有名なエンパイア・ステート・ビルディングを登るコングが見れて満足。
パート毎に映画のジャンルが変わっていくので、最後まで飽きずに見れるのではないでしょうか。

ただ、問題なのが3時間という上映時間。
自分は2回に分けて見たのですが、それでも最後の方は疲れて眠くなってしまったので、3時間ぶっ通しで見るのはキツいだろうな~。
人間のキャラクターはじっくりと描きたいし、恐竜も沢山出したいしで、この長さになったのかもしれませんが、登場人物を少し減らして、恐竜運動会も少し減らせば、30分くらいは削れた気がするんですけどね…。

まぁ、長くなった事で、ジャック・ブラック演じるデナムの異常な執念が強調されて、コングよりも人間のエゴや欲望こそが一番恐ろしいと感じられたのは良かったと思います。
おそらくデナムには、『キングコング』の制作に取り憑かれたピージャク本人が反映されてもいるのでしょう。(見た目も似てるし)
そのせいか、最後に彼が断罪されなかったのは、ちょっと引っ掛かる部分。
「美女が野獣を殺した」という台詞を最後に言いますが、どう考えてもコングを殺したのは、ニューヨークに連れてきた、お前だろ!とツッコまずにはいられませんでした。
せめて、彼がお縄になるショットを入れても良かったんじゃないかな…。

3時間という上映時間や、怪獣モノという事もあり、敬遠してしまう人もいるはず。
私自身もそうでしたが、実際に見てみると、普通に面白かったです。
前述した様に、ビジュアルだけでも見応えがあるし、ジャンルもコロコロ変わるので、怪獣映画が苦手な人でも楽しめるはず。
時間だけがネックではありますが、分かり易い3幕構成なので、分割して見るのもオススメですよ。
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