トールキン

虹をつかむ男のトールキンのレビュー・感想・評価

虹をつかむ男(1996年製作の映画)
3.7
渥美清さんが亡くなられて「男はつらいよ」が打ち切りになり、急遽代わりに製作されたのがこの作品だという。つまりこの作品は渥美清さんの追悼作品ということになる。作中に寅さんが出てきたからもしかしたら、と思って観賞後に調べてみたら、そんな経緯があったことにただただ驚いた。

話の展開としては大きな見せ場や盛り上がりは無いけれど、西田敏行さんの面白おかしい自然体な風貌や若々しい吉岡秀隆さん、その他キャストの演技や芝居が人情味ある世界観を作り上げていく。これが山田洋次監督の独特の作風なんだなーと改めてしみじみ思う。

映画を愛する人がその興業を広めようと精一杯奔走する。自分の好きなことを周りに薦めようとするのはただの押しつけのように捉えられるかもしれないが、仮にも自分も映画好きである以上、一つでも多くの作品に触れてほしいし、現在では映画館離れという言葉も耳にするが映画館で映画を見ることの素晴らしさということも少しでも伝わってほしいと願う。映画でしか味わえないような感動や興奮をより多くの人に知ってもらって共感したい。そんな風に改めて思わせてくれたし、同じ趣味の方と熱く語り合いたくなる。
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