フィンチャーのソーシャルファイト
2011年2月20日 15時40分レビュー
ソニーピクチャー、コロンビア提供。「セブン」からの仲、製作総指揮ケビィンスペイシー。脚色アーロンソーキン。監督デヴィッドフィンチャー。
出会いは昨年の11月。劇場前の自動ドアにシール!ある男の顔に英語文字!?
やがて日本版のチラシを見て、「なんだか手を抜いた広告やなぁ」と思いきや、しっかり海外版のチラシを踏襲したチラシだった事に気づく。
やがてそのチラシのシンプルなコンセプトに格好良さすら感じる。鑑賞後もなおさら。
上映前の大々的なポスター、前フリチラシは、大作や受けの良い作品の証拠。
予告を見て、素晴らしい感覚、サブいぼ体験を覚えました。公開後1ヶ月の劇場で鑑賞ほどよく混む。
レビューは、非難、絶賛さまざま。私の友達も「寝た、台詞の多さに、、。」と言ってました。
私は、デヴィッドフィンチャーのここ近年では、一番素晴らしい傑作だと思います。
「こういう作品を待っていたよ、、フィンチャー」という感じ。
何が素晴らしいってこの主人公の性格をしっかり描ききったドラマにあるかと。キャラ造形はフィクションです。
憎らしく、的を得すぎたしつこさ。むかつくのが普通でしょ?というこの人柄を、このむかつきを感じる映画だ、創業する、起業する奮闘ドラマとしても面白いと思います。
冒頭五分の素晴らしい性格定義のような彼女との会話に全て鑑賞者がのるかそるかだと思います。劇的なドラマも泣きも、緩急もさしてありません。
物語は今も実在するコンピューター会社、フェイスブック起業物語。
ハイソな高学歴なキャラをまあ小憎らしくなりきりすぎたジェシーアイゼンバーグに私は、大きな拍手をおくりたいです(ぱちぱち)
本当に劇中で着ていたパーカーの帽子をひっぺがえしたくなるこの彼のパーソナリティを見る映画、俳優の映画になっています!
(ノースフェイスが私の趣味とカブッテイマスガ。胸中なんか複雑)
是非アカデミー受賞してほしいですね!
そして一番着目してもらいたいのは!お気レビ様ご指摘な
怒涛の会話量の洪水
そしてその「スピード」の素晴らしさ。
この会話のリズムにこだわったフィンチャーの素晴らしさ、その演出の持つドラマのリズムが特に素晴らしい。
憎らしいほど冷たい簡潔な返し
(「イャアyeah!」とかの言い方がスンゴイ短く、早いのが特徴。)
この演出を貫いたフィンチャーにやはり拍手です!
何百回もテイクを重ねたりしたというのは、本作のキャラを引き出す大切なファクターじゃないかなと思います。
しいて言うとラスト付近のやりとりをもっと「劇的」な演出ができたら良かったんでしょう、、、。
途中からぶっこんでくる編集の切れと時をまたぐ台詞。
前後の時制感覚もなおに素晴らしい!テクノファイト、コンピューターファイトを盛り上げる会話のラリーの素晴らしさ。
本作と「フロイト×ニクソン」を想起したという思いは、私もうなづいてしまいました。
私はラストのやりとりに不思議に目頭が冷たくあたたまりました。
まるで職場で
「失敗した人」「大声をあげる人」をみるような、目撃したひややかな瞬間のような
「あの」気持ちに包まれました。
あの瞬間
あの空気の素晴らしい演出だけで、本作は大好きです!
あと不思議に前にすすむ力強さみたいな「何か」を感じたのも確かです。
イヤーしかし、本作とうの本人マークザッカーバーグのポケットマネー的世界戦略の一環だとしたら、イヤーしてやられちゃいますよね。
なお相当な台詞量なんで、頭がクリアーで健康な時にどうぞ!
デウ゛ィッドフィンチャーの素晴らしい現代のドラマ、新たなドラマの魅力、コンピューターフレンズ物語。
またの名をフィンチャーのソーシャルファイト物語を是非ご覧ください。
追記
うちの地元の商工会議所でフェイスブック講座なんて実際開かれたりしてますんで、映画が伝わっているんですかね?
私もフェイスブックサイト、ちゃっかり覗きにいきました。