救済P

ザ☆ドラえもんズ ドキドキ機関車大爆走!の救済Pのレビュー・感想・評価

3.2
『太陽王伝説』併映作品。

22世紀の街全体の電力源である「エネルギーカプセル」をアチモフが奪った影響で停電した街を復旧するべく、ドラえもんズが奪還に挑戦する話。

22世紀の街の電力インフラが分散されずに一極集中に管理されているにも関わらず、アチモフの単独行動で停止させることができてしまう杜撰さがまず目立つ。「どこでもドア」等の時空に干渉するひみつ道具が使えない理由についても、「エネルギーカプセルは時空干渉に弱いから」と、原子力発電とか比べ物にならんくらい不安定。時空干渉できないからといってSLで運ぶことになる展開にもイマイチ納得できない。もっとあるだろ、リニアモーターカーとか。

設定の粗さに目を瞑り画に集中するとそれなりに面白い。物語中、ほとんどの時間をSL内で過ごすことになるが、疾走感があり、作画レベルは高い。戦闘描写は特によく動く。
今作のヒロインの「ロビン」ちゃんも、ここ何作かのドラえもんズ作品と引けをとらない萌えキャラで可愛い。これまではおしとやかで守られ気質なヒロインが多かったなかで、男勝りで力強いロビンちゃんは新たなヒロイン像をみせてくれた。

奪還劇自体は面白いがキッドのロマンスは正直余計に感じる。無理矢理キッドがロマンスをやらされている感がぬぐえない。インスタントロマンスのためにインスタントヒロインがあてがわれているという印象。

上映時間17分と短い作品なのでSLだけにやや走り気味ではあるが、作画はよく、またヒロインは可愛いのでそれなりのクオリティが保証されている。しかし設定不足かつロマンスは余計で、回を追うごとにキモさが露見する王ドラには残念だった。
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