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反逆児の一のレビュー・感想・評価

反逆児(1961年製作の映画)
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お前童貞だろ的な役どころが多い錦之助が珍しく下半身マターを起こす史劇。笠原和夫が書いたヤクザ映画のような、とんでもなく非情な話ですごかった。家(ヤクザでいえば組)のために捨て駒にされる悲運の男の物語。なんといっても藁人形まで持ち出す杉村春子の熱演が強烈だが、クライマックスが壮絶。色々あって切腹をすることになった錦之助が短刀で腹をかっさばいたあと、泣きじゃくって介錯することもままならない幼馴染でもある家来に向かって、息絶え絶えながらに「慌てるな!未熟者め!」と叱責するのである。こんなのは観たことがない。始めはみんなヒンヒン泣いてウェットすぎるかなと思って観ていたが、やっぱこの最期は凄い。傑作。
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