風ノ助

祇園囃子の風ノ助のレビュー・感想・評価

祇園囃子(1953年製作の映画)
4.5
まだ若く世間知らずでちょっと生意気にも見える榮子は母を亡くし芸妓の美代春を頼ってやって来る
一年経ってお座敷に上がるようになった頃、榮子を襲ってきた客を怪我させてしまいお座敷から干されてしまう
保護者代わりの美代春は、このままでは二人とも生きていけないとある決心をする

女は男が快適に過ごすために存在していると当然のように思われていた時代
男に嫌なことをされても強く言えない
祇園の中だけでなく家庭内でも通りすがりの男に対してもそうだったと思う

どう頑張っても世の中は変えられないしこの狭い世界から抜け出すこともできない
女が生き抜いていくためは自分自身と闘わないといけない
死にそうなくらいつらくても二人なら乗り越えられると手を取り合う

後年の赤線地帯でかっこよかった木暮実千代さんは今作では艶っぽい芸妓の姐さんで若尾文子さん演じるまだ幼さが残るかわいらしい舞妓の少女を大きな母性で包み込んでいる

溝口健二はなんでこんなに女の情念を描くのが上手いんだろう
泣く😭
オープニングと花火のシーンが素晴らし!
風ノ助

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