kojikoji

ザ・グレイ 凍える太陽のkojikojiのレビュー・感想・評価

ザ・グレイ 凍える太陽(2012年製作の映画)
3.6
2012年 アメリカ 監督はジョー・カーナハン。「アンチャーテッド」の監督さん。

 「リーアム・ニーソンにハズレなし」の伝説は、「ピストルを取らしたら」という条件はいらないかもしれない。元々ついていないかもしれないが。

 この映画、これまでのリーアム・ニーソンと全く違う。アクション映画というよりサバイバイル映画と言った方が良さそうだ。しかも、なんだかそんな単純に割り切れない変な映画なのだ。

アラスカの上空を飛んでいた飛行機が嵐に遭遇し、山中に墜落する。7人の男たちが辛うじて助かるが、そこは深い雪に覆われた野原で、さらに恐ろしい野生のオオカミが群れをなしていた。
過酷な状況の中、男たちは生き延びようと必死にもがく。

 つまり今回の敵は苛酷な自然と狼なのだ。しかもピストルは持っていない。
 雪と寒さは観ているだけで凍りつく。狼は賢く、生き残った仲間を一人ずつ殺していく。なかなかの強敵だ。
しかし狼の習性をなぜだかこの男は知っていて、いつしか仲間のリーダーになっている。

 単純にアクション・サバイバル映画と言えないというのは、飛行機に乗る前、彼は一旦自殺しかけているのだ。妻に死なれ、生きる望みが全くない状態でこのサバイバルに立ち向かっている。しかもどんどん周りが死んでいく。

神に言う「お前の力を見せてみろ、今すぐにだ。そうしたらお前を信じてやる。」と彼は誰もいない荒野で天に叫ぶが、神は当然答えようとしない。結局自分でやるしかないのかと彼は自分にいい聞かせるしかない。

虚しく死んでいく仲間達。なぜか哲学的な要素を含んでいるようで(ちょっと大袈裟か?)考えさせられるラストだった。

エンディングの後に、あの狼の姿が映っている。これは何を表しているのか?謎解きが必要だ。

2022.12.18視聴552
kojikoji

kojikoji