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ワンダー・ボーイズのmimagordonのレビュー・感想・評価

ワンダー・ボーイズ(2000年製作の映画)
5.0
巷の評価は低いけど、大大大好きな映画。

この映画はつまり、寄り道の3日間だ。スランプ状態の作家で文学教授のグラディを軸に、彼の編集者テリーと教え子ジェームズの三人。ふとしたことで交錯した彼らに起こる出来事は突拍子もない偶然だらけ。でももしかしたら、それは無意識のうちに求めていたものなのかも。終わる気配もない短編、自分の過去を嘘で塗り固めながらグラディ教授に希望を見ていたジェームズ。パーティー三昧で華やかな私生活を演じるテリー。蓋をした思いが一気に開く。運命に翻弄されているようで、それぞれが目的に向かっていた。時代は変わった、だから過ぎた時は思い出として保存して、新たな一歩を踏み出す。暖かさとオフビートでシニカルな笑いが同居しテンポよく進む。ボブ・ディランを含め象徴的に使われる名曲たちと冬のペンシルベニアが美しい。傑作。
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