カツヤ

私が女になった日のカツヤのネタバレレビュー・内容・結末

私が女になった日(2000年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

正午を知らせる木の棒、船の帆になるスカーフ、謎の自転車レース、買い物リストの代わりに指に巻いた紐、シュールな設定に笑いながらも、その風刺性・政治性の力強さに慄く。特に少女の置かれた立場の不当さをただまじまじと見せつけてくる1話目が辛い。
好みで言えば『アフー』が1番好きだった。
カウボーイ、白馬の王子様、何かと男性性と結び付けられる馬に乗って女を追いかける夫、村の長老、父、兄……そしてそれから自転車で逃げまくる女の構図の妙。最後に兄たちに捕まってしまったと思ったら、3話目で有耶無耶にされるのも好き。あとはなんといっても風景!何から何まで画面に映る自然が美しい。
3話目で、1話目に出てきた少女が老女を見つめるとき、その目に映るのが希望であってほしいと願う。24年が経ったいま、イランにおけるジェンダー格差についても知りたい。私たちが勝手にイランをジェンダー後進国と決めつけてかかるほど傲慢なこともないと思うので。
カツヤ

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