このレビューはネタバレを含みます
夫の遺品整理をしていた未亡人Christineが、20年前の初舞踏会で踊った男性達に会いに行く。
ダンス相手の10人中2人は既に死亡し、1人は住所不明。
舞踏会の日付は1919年6月18日。GeorgesがChristineの婚約を知り自殺した日が1919年12月14日。濃淡はあったのでしょうが、わずか半年間に10人の男性とデートして、結局選んだ結婚相手は初舞踏会以外で知り合ったということになりますね。
しかし、夫の服や書類をさっさと処分していく様子からして、少なくともChristineはそれほど夫を愛していなかったと推察されます。
要は配偶者の死を機に、自ら振った男達に会いに行くという計画…。
だって、舞踏会デビューを果たした美しい16才の私に、彼らは皆耳元で生涯の愛を囁いたんだもの。
さすがフランス女性?😄とは言っても、相当自分に自信があり、行く先々で邪険に扱われることはないと確信していなければ行動に移せない気がします。つまり、世間知らずのChristineには、チヤホヤされた16才当時の思い出が未だ現実味を帯びていたということです。
20年前Christineを取り合った男達。あの時確かに同じ交差点に立っていたのに、その後選んで歩んだ道は唯一無二でした。
美容師Fabienのような生き様が多いのかと想像していましたが、Georgesのママに圧倒され、闇に手を染めた男も2人いるという、波瀾万丈ぶりに驚きました。Thierryのシーンでは、画面が斜めに撮影されており、向きに法則はなさそうでしたが、部屋の傾斜がThierry の精神と人生の象徴のようでした。Fabienは実はゲイだという考察があるようですが、そこはよく分かりませんでした。
子供は望むように育たないし隠し事をするし、仕事もパートナーも思い通りにはならない。人生は微小な選択とその結果の連続です。
男達の変化と、リアル16才女子を目の当たりにし、あの甘い青春は遠い過去なのだと痛感したヒロインですが、結局本命?に最も近づけたということで、めでたしめでたし。ただ、夫の手紙の続きは…?🤔
「皆、若い頃の夢を捨てていた。幻想を求め、後悔と共に戻った。抱えるものは変わるのね。….. 過去は未来を約束してくれない。」