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ヤング・ゼネレーションのatsukiのレビュー・感想・評価

ヤング・ゼネレーション(1979年製作の映画)
4.2
【全ては湧き出る力】

インディアナ州の小さな町。地元の高校を出て、進学も就職も決まっていないマイクたち4人組は、青春を謳歌する大学生たちとケンカばかり。しかし4人の中の1人でイタリアかぶれの主人公デイヴは、自転車レースにだけは真剣に取り組んでいた。そんな彼を筆頭に、大学主宰のレースに出場すことになる。

デイヴはイタリアにかぶれている。それは将来への淡い期待から生まれる、ここではないどこかへ逃避したいという気持ちからなる。彼らは大学へも行かず、仕事もしないで、4人組で連んでいる。それは今を失いたくないという気持ちからなる。そんな気持ちが混じり合う難しい時期でも唯一情熱を注いでいる自転車レース。デイヴから無限に湧き出るのは若き力。デイヴの母は言った「若い頃は好きな事をしなさい」と。人生で重要なのは何をしたかではなく、何をしなかったか。ラストで見せられる自転車レースの長いワンカット。あれこそデイヴ、いや今を生きる若い世代、いやデイヴの父親の様に青春を過ごしきった大人達、つまり全ての人へ「まだお前らやれるだろ?」と問いかけているよう。この映画を見てると不思議と力が湧き起こって、何かしようと立ち上がりたくなる。
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