どーもキューブ

盲獣のどーもキューブのレビュー・感想・評価

盲獣(1969年製作の映画)
4.4
増村監督の愛の触れ愛



1969年脚本白坂依志夫。監督増村保造。



増村監督と若尾文子の黄金コンビ作品が初めて増村監督との出会いであった。


毒味という名の愛の生体実験「華岡清州の妻」

私の背中に蜘が曇った。張り巡らせた愛し方します。谷崎文学の映画化「刺青」

雑誌のレコメンから軽い気持ちで、探して借りた。戦場はまさしく人体バラバラ外科手術と愛、素晴らしい戦争を外科から写す赤い若尾天使「赤い天使」、私の増村マスターピース!

映画留学を果たし(イタリア・ローマ映画実験センター)、大映のミューズ、若尾文子と共に素晴らしい作品群を作り上げた増村監督。

四大巨匠達とは違い(溝口監督の助監督など経験)

軽やかなエロス
アブノーマルを上品に
シリアス物からコメディまで
日本映画の中でも、多ジャンルかつ個性的な作風。増村センスが垣間見える監督であります。


そんな増村監督作品でも一番カルト度、衝撃的な作品として位置づけられている噂。
某「映画秘宝」でもカルト映画特集の時に本作ランクインしていた思い出あり。

そんな折今月号最新号に脚本家の白坂さんのインタビューが掲載。本作の写真が視界に入る。そんな鑑賞きっかけ、大映ビデオにて鑑賞致しました。



いやぁこれまた、こんなスンゴイ内容だったんですねー!
こんなアブノーマルやってたんですねー。やっぱり日本映画狂ってますよー。

古いなんて考えが古いわぁ。この前衛的セット(苦笑)あのセットの素晴らしさ!
「ウルトラQ」かと思ったよ。まあ出落ち的セットですが、実に気味悪い感じです。

なんか見ていたらフェティッシュなセット必見!

たった三人しかでない素晴らしいコンセプチャルな展開。本当にこういう映画好きです。ある意味舞台劇にも見えますがね、、、。



強引すぎる心理描写と転結具合。

圧巻のラストの素晴らしさ
舌をまいて、ただただ愛の盲目見えない獣具合に見つめる視線は、

気色悪い?

それとも

究極の傷つけ愛

それとも
サドとマゾ


あなたの愛の形のリトマス試験紙となることうけあい!

いや全否定の方もでるでしょう。女性からみれば、ドイヒーな映画内容ですからね。ある意味ホラーです。









いやいや増村監督、江戸川乱歩が闊歩する素晴らしいアブノーマル巨編というかミニマムコンセプチャル愛の傷つけ愛

いやぁー緑魔子の素晴らしい身体エロスは、

こりゃー男性陣必見!演技も素晴らしい女優魂入ってますよ!さすが、元旦那さんが石橋蓮司さんだけありますねー。

妖艶な小悪魔が、一気に危ない橋を愛撫られ、触られていきます。必見必見!

そして船越英一郎の父、船越英二の素晴らしい異常性必見!どこか知的なんですが、

しつこい
芸術愛
触覚愛

をご覧ください!

軟派な「黒い10人の女」の役柄といい

「熱中時代」の温和な校長先生に全く見えないサジスティック触覚をご覧ください。素晴らしい俳優さんですね!



同系列な作品テレンススタンプの「コレクター」とかとは、まるで 手触りが違いますね。

また見ながらゴダールの「恋人のいる時間」を少し思いだす、フェティッシュな手、足の描写からかな?



素晴らしいなぁ。


いまなら絶対下品になるだろうなぁ。本作の抑制が効き過ぎた上品さが、

まさしく

増村保造の映像感覚

なんだと思いますね。増村監督のライトエロス感覚といいましょうかね。

これがのちの「音楽」とかにつながる最終的なわからない境地まで増村映像は極めていくんですね。


素晴らしいなぁ、また凄いのみちゃったなぁという感じでした。

ノースプラッシュなんで女性の方も安心してご覧ください。

夫婦で見ても大丈夫!オープンな方ならね、性に、、、。



さて
増村監督が描く江戸川乱歩

闊歩する触覚的触れ愛

見えない獣の男と女

増村監督の江戸川乱歩の盲獣

増村監督の愛の彫刻、愛の触覚愛、愛の触れ愛



ぜひ
刺激的な愛詰まってます

増村の究極の激情

増村刺激、良いのありますよ?!

ぜひご覧ください。

追伸
やっぱり昔の日本映画って充分新しい事革新的な事を表現してますね。
DVD再発売して比較的レンタル屋にごそっとありますんで是非どうぞ!
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