愛と料理が溶け合う。
1895年、メキシコ革命頃のリオ。
末娘は結婚せず一生親の面倒をみる。
理不尽なしきたりに縛られたティタが恋をする。
台所で生まれ育ち、
家政婦に料理の手ほどきをうけたティタが持つ不思議な能力。
涙を流しながら混ぜたケーキで皆が嗚咽。
愛する人からもらった薔薇の花びらでソースを煮詰めると
姉妹がエクスタシーを感じて裸で走り出す。
怒りながら作ると食べた相手が死を迎える。
想い込めて料理すると食べた相手に感情が伝染する。
ユニークなマジックリアリズム。
「真実はひとつじゃない」というシーン。
事実をどれだけ忠実に再現したところで、
涙が止まらないほどの苦しみや
身を焼くような情熱を他者に伝えることは難しく無粋。
だから、こういう表現方法が生まれるのかなと感じた。
映像が全体的にオレンジ色
メキシコの太陽の光が照り返しているようで温かくて好き。
生クリームたっぷりの杏のウェディングケーキ。
赤い薔薇ソースと鶉。
出汁のきいた魔法のスープ。
唐辛子の緑、クリームソースの白、ザクロの赤が美しい
伝統料理のチレスエンノガダ。
以上が印象的なメニューでした。
情熱的におなかいっぱい。
ごちそうさまでした。