第一回本屋大賞の受賞作品である小川洋子さんの小説『博士の愛した数式』の映画化だけあって、やはり着眼点やストーリーがとても良かった。
映画化に際して原作者とのトラブルが気になる昨今ですが、映画の能楽鑑賞シーンの客席に小川洋子さんが映っていたのが微笑ましかった。
交通事故による脳の損傷で記憶が80分しか持続しない元数学者「博士」と、博士の新しい家政婦である「私」とその息子「ルート」の心のふれあいを、美しい数式と共に描いているところが面白い。
博士がルートに会うたびに頭をなでて、「これはなかなか”かしこい心”がつまっている」とい言う。
前回の話した記憶が無くなっているので、毎回同じことを繰り返す。
良い言葉を繰り返していると現実になっていくんだな~と、その後数学教師になったルート(吉岡秀隆さん)の授業風景を通して感じた。
脳の一部が損傷しても「愛」は失ってなくて、それは数式だけでなく、人に対する「愛」であったり趣味の野球であったり。
また、博士の世話をする家政婦の「私」(深津絵里さん)の愛ある仕事を通して、博士の義理姉(浅丘ルリ子さん)も変わっていった。
「私」が「ルート」に素直に謝るシーンが好きです。
ルート先生の授業を受けた子供たちにも、数学「愛」が受け継がれていきそうな予感がします。
新聞のテレビ欄の午後ローでの放映予定(2/22の)を見て、アマプラで見ることにしました。ずっと気になっていた映画だったので、観れて良かったです!