ちろる

ホフマン物語のちろるのレビュー・感想・評価

ホフマン物語(1951年製作の映画)
4.0
アート作品としても楽しめる豪華絢爛なバレエオペラの劇中劇。
バレエ物語「赤い靴」でお馴染みのマイケル・パウエル作品ですが、
ドイツ・ロマン派の幻想作家ホフマンの小説の幾つかにインスパイアされたオッフェンバックの本格オペラにバレエを組み込んだオペラミュージカルなので唯一無二の重厚感。

序章では美しいダンサーステラに恋い焦がれるホフマンが、酒場にて3つの物語を酔っ払い達に聞かせるところから始まり、最終章までに挟まれる三章のストーリーの中で一番のお気に入りは人形オリンピアの物語。
バレエ戯曲の「コッペリア」のコッペリウス爺が登場して、ホフマンをとんでもない悲恋に落としいれる。
ミューズであるモイラ・シアラーが、魅力的な人形ダンスと、美しい歌声に酔いしらるだけでなく、操り人形を使った夜会シーンの格調高い舞台美術に圧倒される。
続くジュリエッタ、アントニアの物語も素晴らしかったのですが、特にジュリエッタは魔術的な要素が強くてオペラミュージカルで観るには敷居が高すぎました。
バレエ映画「赤い靴」が作品としては評価されている気がするが、それぞれのシークエンスの仕上がりは素晴らしい。
好き嫌いは別としても、ミュージカルやアート系な作品が好きな人は一度是非堪能してほしい作品です。
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