Donatello

バトルシップのDonatelloのレビュー・感想・評価

バトルシップ(2012年製作の映画)
3.9
この映画の公開時、同じくテイラー・キッチュ君が主演"バルスーム"『ジョン・カーター』と同日公開、しかもこれがユニバーサル・ピクチャーズ100周年記念、かたやディズニー生誕110周年記念って、もう前置きだけでご飯三杯食べられるくらい凄かったんですけどもね。

蓋を開けたら、この映画より先に観に行った『ジョン"でもウーラはなんだかキモかわいい"カーター』がちょっとイマイチで。

どちらかというと期待してた方がダメだったのに、劇場ポスターから既に迸りまくる超B級臭がする方に期待なんか当然してなかった訳です。

しかもですよ、昭和40年代生まれの男子の家には大体、このゲームの元になってる戦艦ゲームともう一つ魚雷戦ゲームというのがあったわけですけども、そういう事を思い出してうわぁ懐かしいなとは思う所があった反面、例えば自分が監督だったとしてプロデューサーに「あのさ戦艦ゲームってさあったじゃん?あれ映画にしたら面白いと思うんだ」て言われてもね、「せやかて工藤」言いますよ普通。
取り敢えず適当に戦艦同士戦わせときゃいいんかな思いますよ普通。
そんな戦艦ゲーム無視した映画なんだろな思いますよ当然。

ですからね、僕がこの作品で最も評価したいのは、実はミズーリのトコでなく、津波ブイのくだり。
まぁ後から調べたら津波観測ブイ、あんなグリッド表示できる程はないらしいですけどね。
でもなんて言うか、
「RIMPACで海上自衛隊がわりと猛威を振るってるらしい」
-なんか聞いた事ある。
「オアフ島には津波観測ブイがある」
-なんとなく知ってる。
「そんなわけで、海自がRIMPACで強いのはこんな裏技を使ってたからです」
-え?あ、そうなの?
…と一瞬でも思わせた勢い。
これで全てを許したね。

もうエイリアン側のバトルシップの動きなんてアレです。「戦艦ゲームをまだ持っていない時に友達の家に遊びに行ったら、ゲームを見せびらかされた上に適当にルールを説明されてやってみたらバンバン撃沈されるので動きを工夫してみるも、やっぱり撃沈されて、じゃあ魚雷戦ゲームってのあるからそれやろうぜ!ってそれでもコテンパンにされて、家帰ってから半泣きで親父に両方のゲームをねだった僕の辛い過去」を思い出させてくれました。

勿論終盤の展開も素晴らしいと思うんですが、そのシーンで流れるAC/DCもなかなかなんですが、なにより序盤でStone Temple Pilotsの"Interstate Love Song"なんていう超絶失恋ソングを流す、その意味不明だけど違和感を感じさせないセンスなど、ちょっとそのズレた感じ最高ですね。

今後も売り上げに貢献するだろう、素晴らしいチキンブリトー販促映画だと思います。
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