モールス

ドッグ・バイト・ドッグのモールスのレビュー・感想・評価

ドッグ・バイト・ドッグ(2006年製作の映画)
3.5
何の良心の呵責もなく、人を次々に殺してゆくエディソン・チャン演じた主人公に圧倒されました。主人公が殺人を犯す度に、サム・リー演じた刑事ワイの茫然とした表情も印象的でした。主人公はカンボジアで愛を知らずに、その日を暮らす金のために人を殺して生き抜いてきました。その主人公の狂気が乗り移ったように刑事ワイの変貌する姿も痛々しいものでした。ワイは刑事の父に憧れて同じ道に進みました。その父の本来の姿を目の当たりににして、自暴自棄になります。不条理という重荷を背負った二人が最後にぶつかります。全く希望が見えない物語です。
本作の良さは東南アジアの現実が如実に出ていることでしょうか?恵まれた国の人々では分からないストリートチルドレンの実情と、香港の混沌さ、「シティ・オブ・ゴッド」を彷彿させるバイオレンス性はスゴいものがありますね。
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