SAtone52484

トゥルーマン・ショーのSAtone52484のレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
4.5
リアリティ番組の台頭を予見していたかのようなストーリー。すごい先見性!



これはコメディというより、「ホラー」ですね。笑
生まれてからこれまで、知らないうちに人生の全てがLIVE放映されていた… なんて考えたら、背筋が凍ります。
それまで築いてきた人間関係も、環境も、全て造られたものだったら… 発狂します。
そんな役、ジム・キャリーみたいな人しか演じられないと思う!
(ジム・キャリーだからコメディになったよね…)

リアリティ番組やlifestyleを切り売りするいわゆるインフルエンサー達がやってることって、1990年代後半の番組内プロダクトプレイスメントとあまり変わっていなくて、「人って変わらんよね…」と悲しくなりました。

劇中で“The Truman Show”の観客は、みんな無邪気。
まるで親戚かのようにTrumanを見守り、「楽しむ」。
誰もTrumanの権利とか、感情とか、そんなことは考えてなくて、ただただ「面白がっている」訳で。
なのに、Trumanがセットからの脱出を試みると、突如としてそれを応援し始め、Showが終われば、何事もなかったかの様に、チャンネルを変える…
人は誰しも、他人に興味があるようで、深く考えてはいない、一人の人間の価値が、軽視され、消費され、忘れらてゆく、そんな恐怖がユーモアで表現されていました。

エド・ハリス演じるクリストフが、悪人の様で、実はTrumanのことを「心から」考えている、というのもミソ。

Trumanのその後、どうなっていくのか、想像を掻き立てられますよね(私だけ?)。
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