去るものより、残されるものの方が辛い。そして、それが中年おじさん二人だと、もっと辛そう。
本当に普通のおじさん二人しか出てこない。
そして、その二人のおじさんたちの過去はほぼわからない。
普段から何しているのかも、ほぼわからない。
そして、お互いのこと、別に深く知っている訳ではなさそう。
わかるのは、一緒にカンフー映画を観て、パズルして、パドルトン(←二人で考えたスカッシュみたいなゲーム)に興じる… 本当にシンプルな友人関係だということ。
そして一人は末期ガン。
自らのタイミングで終わりを迎えると決めている…
この「ただの友達」ってすごい。
ただただ、日常的に一緒に過ごすだけ。
でも、友達ってもしかしたらそれでいいのかもしれない。
そもそも、友達というより「ただのご近所さん」なのかもしれない。
もはや、二人の関係に定義がないのかもしれない。
「側にいる」というだけの話なのに、人生ってこういうものだし、こういうものだったらいいな、とさえ思わせる。
なんとも不思議な後味の映画でした。