mikoyan358

魔術師のmikoyan358のレビュー・感想・評価

魔術師(1958年製作の映画)
3.5
噛めばじわじわといい味がずっと染み出すが、噛めるようになるまでに相当時間がかかる硬すぎるスルメのようなベルイマン映画(個人的感想)の超哲学的作品群の中で、これは珍しいほどに判りやすくシニカルで軽快だった。魔術をまやかしだと糾弾する往年の宜保愛子vs大槻教授みたいな前半のやりとりこそやや我慢が必要だが、夜が明けて実際に魔術を披露し魔術師側が壮絶な倍返し?を始めるあたりから俄然面白くなり、シャープなカメラワークでこちらも恐怖感が倍増。いつも若干時計が気になるベルイマン作品には珍しく気付いたら終わっていた。
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