エンポリオ

ラブリーボーンのエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

ラブリーボーン(2009年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

最愛の家族とボーイフレンド、彼らと過ごす未来を奪われた少女が表す心からの愛情を描いたファンタジー映画。
映画のあらすじというのはそれを目にする人にその作品への興味を抱いてもらうための文章に他ならない。嘘や余りにも主観的な表現は出来ないが多くのあらすじが少しでもその映画の見栄えが良くなるようにと書かれている。映画館であれ自宅であれ映画を鑑賞する時は私もあらすじや予告編を参考にするようにしている。この作品はあらすじに大変心を惹かれて鑑賞するに至ったものであった。期待に胸を膨らませていた分物足りなさを感じずにはいられなかった。
物語の序盤でスージーは殺されてしまう。直接的な表現が省かれ婉曲的に彼女の死が描かれることで犯人への憎悪と胸の苦しさがより一層強く心に押し寄せてきた。その辛い思いを終盤まで抱いたまま画面を見続けることを強いられ、結局その苦しみに見合うような結末は訪れなかったように感じた。この世に遺した未練をスージーが消化することなのか、残忍な犯人を見つけ出し裁くことなのか物語のゴールが判然としなかったのもその一因であったように思う。
劇中のBGMの使い所にも疑問を感じてしまった。シーンと音楽とが噛み合っていないように感じてしまったため、気づけばフワフワとした落ち着かない気持ちでその違和感を解消するためのものを作品の中に探してしまっていた。
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