ぱやぱや

ラブリーボーンのぱやぱやのネタバレレビュー・内容・結末

ラブリーボーン(2009年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

公開当時の美しいCMが印象深くてレンタルして鑑賞したのだが、観るのが色々な意味で辛かった作品
凄く残念だった

他の方のレビューに私が言いたかったこと全て書いてあったので色々省略するが

一応概要
レイプ殺人された少女の目線で死後の世界を旅する?話
家族に色々気づかせようとしたり、天国へ誘われたり、初恋を済ませたり…ということを通じて、この世でのやることを終えて、少女は自分の死を受け入れていく
というストーリー


うーん、なんとも言いがたい、納得できない映画だったので、ラストまで見通すのが少し苦痛だった(色々調べたら、残酷描写カットのために原作から多くのシーンがカットされたらしい…それで訳わからんことになっちゃったのかな?)

まず死後の世界が(美しいと思ったかたも多いと思うけど)幻想的すぎて、何だかな???という感じ
でも他の米映画でもこのような描写(死後の世界がゆめかわ❤️ファンタジーな光あふれる世界であること)が鼻について気になってしまったことがあるので、
キリスト教が社会の基盤となっている文化圏ではこれが常識=社会通念的なところがあるのかもしれない

(民族史的には、逆に東洋の文化圏では死後は醜く穢れのあるところという描かれ方がなされることが多いという研究がある。例えば古事記の時代から、日本には、現世は幸せ死後は汚いという思想があったとのこと。ただしこれは仏教以前のことで、仏教が多くに広まってからは成仏の考え等が輸入されたので、新たな死生観ができたという。キリスト教文化圏では、その反対に、現世では原罪を背負っているが、死後は神の元へ召される=報われるという考えをしがちとのこと)
東洋思想に染まっている私にはこの西洋古来といわれる死生観は、感覚的に違和感を持って見えたのかもしれない

主人公の少女は、ロリコンかつシリアルキラーの奴にレイプ殺人をされ遺体は隠されていて、しかもそいつはまだのうのうとシャバにいる…というシリアスな状況にいる

なのに少女の冒険譚とまではいかないが、ファーストキスの描写・家族の描写・ゆめかわな天国・事件の真相究明など
それらが少女目線のふわふわしたナレーションでゆったりと進むことで、どこに主題があるのか分かりにくかったし、どのテンションで見ればいいの?!と混乱してしまった
原作には色濃かった残酷・性的描写をカットしたわけだから、製作者はこの映画を皆に見やすい悲しすぎない物語にしたかったのかもしれない
しかしその試みは内容や状況と合っていなかったと私は感じたし、その割にストーリーは要素盛りだくさんすぎて、それぞれが掘り下げられることなく、悪い意味であっさり済まされてしまったように思った

しかし高評価とする人も多い作品であるし、雰囲気映画が好きな人や、ファンタジーのこういうやわらかい夢のような映像が好きな人には合う映画なんだろうと思う(私の美の好みには何も引っかからなかっただけで笑)
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