赤痢

逢びきの赤痢のネタバレレビュー・内容・結末

逢びき(1945年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

「すべてを覚えていたい一瞬一瞬まで 命ある限りずっと」

この台詞がこの映画のすべて 死にたいくらい苦しいしあの人の記憶全部消したいけど愛しているから絶対に消したくないという純然たる感情

1回目の逢引の別れ際に来週も会いたいお願いだ頼んでも?てゴリ押ししたのからして良い 電車から顔出して手を振るのも良い 現実に帰ってぞっとするのも

次の木曜日ギリギリで会って一瞬会えただけで満足して走って電車に飛び乗って、それだけのことが本当に本当に楽しそうで現実感がなかった

3回目の逢引 退屈な映画からのボート、全部が幸福そのもので水にはまって笑うシーンがすごく良かった 
そこからの「分かってる?君に恋をした 僕は間違ってないね君も同じだ恋してる」がヤバ過ぎる
ここで「明言してもしなくても同じことだ分別も今更気にしても同じだ」みたいなことを言っていたけど それは不倫相手に対する誠意とか覚悟の問題で ここで両想いであることを明言はしないが互いには分かってる状態のまま会い続けるのが一番平和だし周りも自分たちの気持ちも誤魔化せるギリギリのラインだと思う ここで誤魔化さないところが相手のことを本当に愛しているという覚悟だと思う

夢のような逢引が終わって電車で妄想にふけるシーンも良い 若いときに出会ってたらなと思う、結婚は難しい

家族への後ろめたさ→友人への後ろめたさ→全員に苦しい気持ちを吐き出せない、最高の幸せ/夢と同程度の苦しみが来る、良心の呵責は辛いよなあ平穏は無い

会わなくてもあなたを愛し続けることが僕にはできますと断言できるの凄過ぎるな
遠くに行くのを君が止めるなら行かないよと言って止めないの苦しすぎる

平凡な娘で平凡な恋愛をしてきた私がこんな恋愛をするなんて信じられないみたいなことを言っていたが 過去にそういう恋愛がなかった人間だからこそ夢のような恋愛に憧れるし人は若いときに足りてなかったものを無意識のうちに追い求める(だから若いうちに面白い恋愛しまくらないと結婚したあとがヤバイと思います)

この先だれにも二人のことを言うことはなく二人だけで苦しみを抱えつつ互いに密かに愛し続けるのつらすぎ 永久に会えないのつらすぎ 無理 それでも理性とか良心が勝つのすごく偉い悲しい

生きて僕を覚えていてほしい
みんな平穏を幸せと勘違いしてるだけ

ラストまで全部良い
「どうした、悲しい夢を見ていたようだ 私で力になれるか?
遠くへ旅をしていたね よく戻ってきた」

これは泣く悲しい よくがんばったな二人とも こういう人たちって実際たくさんいるのだろう 
またいつか会えるよどうか会えて欲しい 今世では出会うのが遅くて守るべきものが多すぎて諦めてしまったけど、来世では絶対に幸せになってくれ 
赤痢

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