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食べて、祈って、恋をしてのpikaのレビュー・感想・評価

食べて、祈って、恋をして(2010年製作の映画)
2.0
人生には恋愛しかないのかい!自分を見失った中年女性が離婚をきっかけに3カ国を旅する話で題名そのまんま食べて祈って恋をしてばかりの140分。
苦悩や後悔、希望の主軸が全部恋愛。そしてめちゃくちゃ金持ち!全財産渡したはずなのにいい物食べていいとこ住んで毎日楽しそう。異国へ行った戸惑いや悩みみたいなものも全くなく素敵な人にすぐに出会えて生涯の友みたいな関係になり涙する。ポンポン色男と付き合えるし恋愛以外の悩み事は一切ないし寝る前の妄想を映像化したみたいな映画だった。

仕事は順調で友達もたくさんいて不自由ない日々で恋愛(結婚)だけが不満。だから自分探しというよりは愛を探す旅で、愛し方を学び、円滑に人生を共に出来るパートナーに出会うための話だから他のことは捨ておいて愛に焦点を絞っているということか。
原作がベストセラーでジュリアロバーツを主演にすればある程度集客は見込めるだろう企画だが評判は悪め。相手役にも多様ないい俳優を起用しているのにも関わらずだ。
主人公に自分を投影して酔える、あるいは主人公の旅路を通して得るもの学ぶものがある、そんな風体な映画に見えるが蓋を開けると主人公の一方通行な自分語りで終わっている。酒場で出会った初対面の相手から一晩延々と自分語りをされたような感覚。生理的不快感はないがこちらは『そうなんだ』『いいね』『わー、凄い!』と返答するしかない。
映像は華やかできれいだったが羨ましいとも思えなかった。ジュリアロバーツだから成立したんだろうけどスターオーラむんむんな別世界の女優感満載で観客が共感したり自分を投影したりするような等身大な雰囲気はゼロなのでちょっとミスキャストに見えてしまう。
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