ムック829

アンダーグラウンドのムック829のレビュー・感想・評価

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)
4.0
ユーゴスラビアが滅びても、国家は無事だと騙されて、地下で暮らし続けた人達の話。

凄くエネルギーに満ちた、ハイテンションでパワフルな映画。普通なら「悲劇」の話が完全に「喜劇」になっていて面白かった。
冒頭のブラスバンドを従えて走り抜けるシーンからして、意味不明すぎてワクワクしてしまった。
そのブラスバンドが奏でるメインテーマにテンションはアゲアゲ↑
そして度々現れるブラスバンドが寓話感を醸し出し、常に楽しい気分にさせるんですよね。

そのノリがまるで「黒猫白猫」みたいだな、と思ったら監督が同じなんですね。
自分の感覚もバカにしたもんじゃないなと、ちょっとだけ嬉しくなる。

ラストシーンは圧巻。切り取られた自分たちだけの永遠の国、そんな解釈も出来そう。素敵な大団円にニンマリしてしまった。

街が爆撃されているのに、気にせず飯を食い続けるクロと、帽子を被ったままエッチをするマルコ。
ユーゴスラビアの歴史背景を知らなくても、二人の破天荒さだけで観れてしまう愉快な映画でした。
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