ぼの

アンダーグラウンドのぼののネタバレレビュー・内容・結末

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

2章終盤からの怒涛の展開が最高でした。

「真昼の暗黒を誰も知らない、誰も知らない、誰も…誰も知らない、太陽の輝きを知らない」
笑顔のクロがマルコ、ナタリアと熱唱してるとこはブラックユーモア満載。

良心の呵責に耐えかねた『正しくない二人』が、「正しい人間はとても暮らせない」と判断し、地上の楽園と地下の世界を爆破するところも一見の価値ありです。
結局世の中こんなもんだよね。

ものの5分の間に兄殺し、自殺、友殺し、恋人殺し、からの死体燃やし。まさにインモラルパレード。
130分越しにイヴァンの首吊り癖が効いてくるのは天晴。
2人の火だるまを乗せた電動車椅子が磔のイエスを中心に周り続けるのなんてどうやったら思いつくんだ…

みーんな不幸にしたあと、死後の世界の狂宴で注意を引き、レンズ越しに観客を真っ直ぐ見つめるイヴァンが淀みなく語る。
「昔 ある所に国があった」
あぁ、これが伝えたかったんだね。

劇中通してうるさいブラスバンドの演奏と動物使った演奏が印象的です。
アヒルの群れの真ん中で爆発起こしたり、トラとアヒルを喧嘩させたり、サルに戦車砲撃たせたり、燃え盛る炎の近くで白馬を走らせたり、動物使った「大丈夫かよ、これ」って演出は戦争の惨さを強調させるためだよね…?

昔見たのに何故か記録付けてなかった本作。
数年ぶりに鑑賞したけど、やっぱすごかったなぁ…
ぼの

ぼの