こやち

アンダーグラウンドのこやちのレビュー・感想・評価

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)
4.0
昔あるところに国があった。
ユーゴスラビア。ナチスと闘ったパルチザン。そして内戦。民族独立。旧ユーゴスラビアの激動の歴史を狂乱と共に駆け抜けた人々の群像劇かユーゴスラビア叙事詩か。
あなたはクロアチアですか?セルビアですか?上官は?上官は祖国だ。監督は自分はユーゴスラビア人だと言っている。私どもの世代だとユーゴスラビアと言った方が馴染みが深いけれど、すでに知らない人も多いのかな。
以前「僕はユーゴスラビアから来たよ」という青年と話したことがあった。しかしその時点ですでにセルビアモンテネグロだったんじゃないかなぁ。あれはコチラの知識不足を勘案した故か、それとも彼の思いだったのか。彼に聞いてみたかった。

「この物語は終わりがない」という。1995年の作品だが、その後もコソボ紛争、NATO空爆、セルビア、モンテネグロの独立。そしてユーゴスラビアの解体に続く。自分はユーゴスラビア人だと思っていたその祖国が分解するのだ。楽隊の音楽が鳴り続けている。
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