ことのは

それでもボクはやってないのことのはのレビュー・感想・評価

それでもボクはやってない(2007年製作の映画)
3.5
【これが、裁判。】

朝の満員電車で女子高生に痴漢と言われて捕まえられた男が、有罪率99.9%の日本の刑事裁判に挑むお話。

午前中に『Winny』観終わってすぐ、久しぶりにこの映画(裁判モノ)観たいなぁとサブスクになかったのでレンタル屋さんで借りて鑑賞。

この話し、めちゃくちゃだよなと思いながら観直してたんだけど、もちろんフィクションで、周防監督が入念に取材を重ねて日本の司法制度、警察の〝おかしみ〟を淡々と描いて、そのフィクションを妙にリアルな加瀬亮が、本当に冤罪で捕まった一般人かのような不安や震えや怯えを生々しく演じて、最後の裁判シーンでは思わず加瀬亮が対峙したように、裁判官小日向文世を睨みつけてしまいたくなる演出だった。

周防監督は物語の緩急の付け方が巧い。

痴漢と疑われただけで99.9%有罪になるなら、リスクの少ない車両・乗り方を心掛けようと、変な映画の効用を受けてしまった笑

蛇足だけど、『Winny』の主人公も金子で、フィクションだけどこの映画も加瀬亮が演じるのは金子だった。
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