★白い服の時、赤ワインの染みに注意しましょう
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この映画は岩下志麻と桃井かおりの２大女優による競演が素晴らしい事に尽きる。
殺人容疑者の女と彼女の女性弁護士の間の確執や本音のぶつかり合いがリアルで面白かった。松本清張の原作だがミステリー要素より人間ドラマに主軸を置いたのが成功の要因だろう。
それにしても保険金殺人容疑者役の桃井かおりの悪役はうまかった。世間を敵に回しても平気で、そして人を馬鹿にした様なふてぶてしい態度は観ていて憎たらしく感じた。法廷劇としても秀逸で、裁判で証人に立つ名俳優たちの個性溢れる演技もドラマを盛り上げていた。検察側と岩下演じる弁護士との攻防戦も緊張感があってよかった。
日本アカデミー賞の作品賞をはじめ9部門の受賞は文句ないだろう。脚本以外の主要スタッフは名作「砂の器」と同じであるので、重厚な映像と演出は映画的にも非常に優れたものであった。
