BOB

ヘルボーイのBOBのレビュー・感想・評価

ヘルボーイ(2004年製作の映画)
3.5
ギレルモ・デル・トロ監督とロン・パールマンがタッグを組んで、人気アメコミを実写映画化したダースファンタジー第1弾。

"My uncle used to say that we like people for their qualities but we love them for their defects."

期待以上に面白かった。アメコミ原作の映画ではあるが、いわゆるアメコミ映画っぽさはなく、デル・トロ監督らしいクリーチャー愛に満ちたダークファンタジー映画に仕上がっている。

人間らしさとは何かを問う、ヘルボーイのオリジンストーリー。超常現象調査防衛局のエージェント"ヘルボーイ"がナチス・ドイツ軍のオカルトアドバイザーと闘うメインストーリーに、念動発火を操る女性リズとの『美女と野獣』的恋愛ドラマや、監視役を務めるFBI新米捜査官との友情、育ての親であるブルーム教授との親子ドラマ、サイコメトリー能力を持つ半魚人エイブとのオフビートなバディドラマ🔴🔵など、ヘルボーイのキャラクター性が多面的に描かれていく。

惜しむらくは、ストーリーラインが多いことが仇となり、メインストーリーの推進力が弱いこと。話がどこに向かっているのか分かりにくい時が何度かあった。

ヘルボーイや半魚人エイブの特殊メイクが良く出来ている。CGの経年劣化も感じなかった。はっきり言って、最近のヒーロー映画のCGより断然クオリティが高い。

後のアカデミー賞作品『シェイプ・オブ・ウォーター』の原型とも言える作品。孤独を抱えた人間と非人間による異種間純愛ドラマ、『大アマゾンの半魚人』に影響を受けたダグ・ジョーンズ演じる半魚人等が、共通点として挙げられる。

"Aw, crap."、"Red means stop!"、"I'm fireproof, you're not."、"Second date, no tongue!"など、ヘルボーイのユーモアのあるセリフも面白い。

"I wish I could do something about this. But I can't. But I can promise you two things. One: I'll always look this good."
"Two: I'll never give up on you... ever."

" "What makes a man a man?" a friend of mine once wondered. Is it his origins? The way he comes to life? I don't think so. It's the choices he makes. Not how he starts things, but how he decides to end them."

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