このレビューはネタバレを含みます
非常に満足度が高く、幸福感が高い作品。
愛の形をさまざまな視点から描く、群像劇作品。
総理大臣視点や国際的な恋愛、男同士の友情としての愛など、普段自分であまり見ないタイプの恋愛映画のパターンもあり、新鮮な感覚で楽しめた。
【個人的に好きだったところ】
・リーアムさん演じる義理父と息子のシーン。2人の愛故の悩みが強調されていたが、その過程で、両者にも確かな愛情・信頼が芽生えていたのがよかった。愛や悲しみの共有から、両者にしっかりとした絆が芽生える、個人的には今作品において、特異な描き方だと思った。その為目立って印象に残ったし、ハートフルな家族作品を同時視聴していた錯覚を覚えた。
・アンドリューリンカーン(我らがリック)が演じる人物。他の作品だったら、メインの2人が愛を深めていく過程に嫉妬するパターンだと思うが、今回は好きな人と友達が結婚した後の心情が描かれていた。ある程度諦めの心からスタートしていた為、既に思い人が結ばれていることを認めた上での苦悩が個人的に「くーっ」という思いが込み上げた。最後のフリップのシーンも、無理だとわかっていても抑えられないものを、最低限に出そうとしている所が男だなと思ったし、吹き替えだからこそ聞けた「イナッフ」が、目的を達成した男感が出ていてカッコよかった。
さらに書きたい事も多いが長文になってしまう為割愛。
今作のキャストは有名作品の主役級の方が多いし、最初はそのために見るのもありだと思う。
視点が変わるスタイルが好きでない人は少し見てて難しいところもあると思われるが、視点が多いからこそ一人一人が際立つところもある為、群像劇の入門としても見て欲しい一作である。