Automne

テルマ&ルイーズのAutomneのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
4.6
ジェットコースターみたいな人生の一瞬の煌めき。2人が刹那を爆走してゆく感じがたまらなく好きだった。
やりとりひとつとって見ても大好きなシーンばかりで、ヒューマンドラマ、コメディ、セクシャリティとマイクロアグレッション、アメリカ大陸だだっぴろロードムービーの全部盛りで最後までずっと面白いのすごい。もしかしてバービーのジャケ写ってこの映画オマージュしてる?
コメディ要素あるのにリアリティもあるのも素晴らしい。ロードムービーでメキシコ行く、のノリと南部テキサスの現代までつながる差別的な慣習を掛け合わせてシスターフッドをこの時代に作ったリドリースコットの慧眼の深さよ。
テキサス州と言えばトランプの本拠地とも言えるグレートアメリカ保守派の白人至上主義最強地区、トランプが集会やってたり、メキシコとの国境の不法移民問題などで人々の愛国心と排他性は強く、歴史的には南北戦争時代から伝統的に黒人奴隷容認派の住んでいる土地。これは個人的な体験だけど、コロナ渦のど真ん中に東京でパーテーションガン無視してマスクなしで喋ってきたキモい白人男性から“おれら白人が本当のアメリカ人で黒人たちは白人のためにみんな働いてるんだぜ”って言われてめちゃくちゃゾッとしたことを思い出した(南部の人たち全員がこうとは言わないしテキサス行ったことないから語る資格ないかもだけど、経験則としてそういう風に思ってしまうし南部の人だと構えます)。
*個人の偏った意見です
とまあ、現代につながる問題を考えさせる時点でも、ブレードランナーと並んでその先見性には驚かされる傑作です◎
たまたまブレードランナー観た次で奇しくもハシゴしてしまったけれど監督としての濃密さ、深奥なイメージに痺れました〆
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