Automne

夜の浜辺でひとりのAutomneのレビュー・感想・評価

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)
3.4
体感2時間半。執拗な長回しのワンシーンワンカットで空間に対するアプローチとして"空気"みたいなものをずっと撮っているが、いかんせんポップさや面白さに欠ける。ある種のあざとさを画角の中の人物に感じてしまい、それはこのドキュメンタリーチックな作風とマッチしていない気がする。舞台的な動きをする人物たちをドキュメンタリーチックに撮ったとしても変なあざとさがそのまま映されるだけなので成功してるとは言えない。監督としての自己憐憫とかメタ展開映画制作者()みたいなのはインテリ風内輪向けって感じ。
もはやおもしろさすら狙ってないのだと思うが「才能あると信じてるけど才能ないと思われたい」みたいな謎のこじらせをセンスと勘違いしているのではないだろうか、というくらいに凡庸。でも何周も回った上でつまらないとこに戻ってきてそこに何かあると信じて撮っているのだろう。
ある種こういう作風で作り続けているというその気概だけはホン・サンスのことを尊敬する。それ以外は特になかったです。
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