ユーライ

港の日本娘のユーライのレビュー・感想・評価

港の日本娘(1933年製作の映画)
3.5
某本で紹介されていたので。Amazonプライムで観たのだが、まず後付けと思われる洒脱なBGMが陰鬱な物語と恐ろしく合っていないので消音で良い。画質が悪いので字幕を読むのも困難(表示時間が短い!)なら登場人物の区別もおぼつかないのだが、果たしてこれは百合と言えるのかどうか。タイトルから想像されるようなスール的清廉さがある世界観ではなく、いきなり俗なメロドラマが展開されて学生服が画面から消えてしまう。道を踏み外して転落していく悪女もの?であり、女性映画らしさはあるが、百合としては間に男が挟まり過ぎてノイズに感じる。呼び止めるところはらしいが、もっと密に救い救われる二人だけの関係にしてほしかった。前半、男に取られて一人立ち尽くす画の寂しそうなこと。銃撃前と後でカメラが四回くらい寄るのに劇画的な迫力があるけど、一番印象に残ったのは床に転がる毛玉が足に絡まるイメージに複雑な関係性を象徴させているシーン。何にせよまた分からなくなった。
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