naomi

きみに読む物語のnaomiのレビュー・感想・評価

きみに読む物語(2004年製作の映画)
3.9
どうしようもなく惹かれあって
どうしようもなく美しい形で
永遠を手に入れる話です。


超余談ですが…

15年くらい前、お母さんと二人で街中を歩いていたら、お母さんの古い知人と会いました。

その人は絵に描いたような良いパパっぽくて、背が高くてスタイルのいい爽やかお父さんって感じでした。

隣の美女は奥さんで、目のくりっとした男の子を連れていて。

少し挨拶した後、すぐ別れましたが、
「昔付き合ってた人だったんだよ」とお母さんが言いました。

聞くと、家柄の違いが理由で両親に反対され、結婚直前に泣く泣く別れたそう。

その後、お見合いで私のお父さんと出会って結婚したと。

あのパパとは対照的な、背が低くて短足で顔の大きな、うちのお父さんじゃなければ、私は生まれなかった。

お母さんの気持ちはそのときは分からなかったけど。

選択肢の積み重ねで未来が決まったんだ、と実感しました。

時間を経て
私自身も、いまは結婚しました。

旦那の前に付き合ってた人とはとてもきれいな思い出があります。

ふとした拍子に思い出すことがあります。

「その人とのことは終わりにする」選択をしたこと、後悔してはいません。

ただただ、昔のこと。
誰にでもある過去のこと。
旦那にも、似た経験があることも知ってる。

若い時の情熱的な恋愛は、ずっと続かない時もある。

そういう意味では、この映画は
きれいでヒリヒリする思い出を現在に繋げるのに成功した稀有な事例のよう。

言葉は変だけど、嫌味とかではなく、純粋にこの映画にお礼が言いたい。

一番綺麗でいてくれてありがとう。
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