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ゆきゆきて、神軍のKuutaのレビュー・感想・評価

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)
4.2
カメラを向けられると人は演技する。隠し撮りでもしない限り、この呪縛からは逃れられない。

この映画でも、奥崎謙三は明らかに過剰に語る。過剰を続けるうちに、自分自身もどこまでが演技か分からなくなっている節がある。

原一男の側も、意図的に演技をさせている/演技させるつもりはなかったが、奥崎の反応を面白がって意識的に撮っている/全く無自覚で純粋なドキュメントのつもり
この3階層の間で揺れ動いているように思える。

カメラは真偽の境界が曖昧になる奥崎を軸に、眼前の状況を捉え続ける。話そのものは勿論、どんどん化学反応を起こす奥崎の記録映像として、つまりドキュメンタリーとして圧倒的に面白い。84点。
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