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罪の天使たちのpikaのレビュー・感想・評価

罪の天使たち(1943年製作の映画)
4.0
ブレッソンにドハマりして買っちゃった①
ブレッソンのデビュー作。

修道女のストーリーなので厳かな方向性かと思いきや開始3分でギョッときな臭くなるので瞬時に掴まれる。
かったるくなく宗教的過ぎず、モノクロの表現方法を敢えて選択したかなような白と黒のコントラストや画面美が酔えるほど美しいし、リアリズムに徹するブレッソンのキネマトグラフとはまた味わいの違う画で語る演出がとにかく素晴らしい。

それでいてシスターという要素を見事に使い、自ら俗世から離れた彼女らの聖女だからこその無表情っぷりの奥に秘められた元罪人である多面性が作品意図を引き立たせる中で、純粋過ぎて使命に囚われているからこそ浮いてしまう主人公アンヌ=マリーの溢れんばかりの感情や生き生きとした表情が対比のようなコントラストを見せる。

ストーリーや言葉で語るよりもキャラクター達の行動や表に現れない感情を演出によって浮き立たせこちらの思考を刺激する。流れるように繋がれるカットの行く先にある余韻にまた電撃を食らう。綺麗だしカッコイイ!
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